B)お屋敷
ここは、呉服商であった上村傳助という方の庭園で、1934年に一面畑だった所に武蔵野の原風景を再現するため、著名な造園家の戸塚琢磨と小形研三に設計を依頼して作られました。当時は今の3倍の広さがありましたが、維持していくことが難しかったために、1993年から世田谷区が今の部分を買い取ることにしました。2000年から住民参加のワークショップを行い緑地づくりに取り組んで、2003年に、スミレの咲く場・原っぱという意味をこめて「桜丘すみれば自然庭園」として開設しました。今の広さは6,643㎡です。
すみれば自然庭園の屋根は雑草でおおわれています。周りの樹木より低く作られた建物の屋根は草葺き屋根といって、トトロの作者の宮崎駿さんのジブリスタジオを参考に作られています。屋根には散水用の水道も敷設され、外壁は関東ローム層の色を使用して自然庭園と一体になることと、断熱性など環境にも配慮して作られています。
この自然庭園は、武蔵野の面影を残しているため、日常あまり見られなくなった珍しい生き物も多くいます。庭園内には、池がありトンボの幼虫やカエルなどもいます。桜の花から紅葉、季節の花が楽しめる自然の観察の場として、多くの子どもたちの学習の場所にもなっており、運営は地域のボランティアの方が案内なども行っています。
スミレ開花時期は3月下旬~5月上旬です。