D)日本陸軍(りくぐん)の施設(しせつ)
東京農業大学は、戦前まで渋谷の常磐松(ときわまつ)いう場所(現在の実践女子校や国学院大学のキャンパスがある一帯)にありましたが、この常磐松の校舎が空襲で罹災(りさい)したため、ここ桜丘1丁目に移転してきました。移転してくる前までここには陸軍機甲整備学校(りくぐんきこうせいびがっこう)がありました。機構整備学校とは自動車学校・自動車整備学校のことで、校内には戦車などの演習(えんしゅう)のための坂道や穴など各種障害物が設けられたコースが建設されたほか、整備工場や研究所も建てられました。主な歴史は以下の通りです。
・大正5年(1916年):学校設立が決定し土地の買い上げが地元に通知され、坪1.8円で買収。着工。
・大正6年(1917年):輜重兵大隊(しちょうへいだいたい)から60名が自動車班として着任。
・大正10年(1921年):第2次買収通知があり、6,000坪の土地が坪4円で買い上げられて研究部を建設。
・昭和12年(1937年):馬場建設のため第3次買収通知が決定され、600坪の土地が坪6円で買収